SHIRAHONE HOT SPRING 山間に佇む秘湯 白骨温泉
温泉 長野・松本市
乗鞍岳の山麓にある白骨温泉は、かって「白骨(しらほね)」とか「白船(しらふね)」と呼ばれていたが、中里介山の小説「大菩薩峠」で白骨温泉として紹介されてから、現在の白骨温泉の呼称が一般的になりました。
白骨温泉は、乳白色の湯として有名ですが、湧出時は無色透明で時間の経過とともに白濁します。その湯は「白骨の湯に三日入ると三年は風邪をひかない」と言われたほどの効能があります。鎌倉時代の湧出と伝わる温泉地は、とにかく静かで物音ひとつせず夜空がとてもきれいです。そして、かの武田信玄も湯治に使っていたといういいつたえもあります。
映画「あゝ野麦峠」は、飛騨から野麦峠を越えて諏訪地域にある製糸工場で働くために、吹雪の雪山を100人以上もの少女たちが移動している場面からはじまります。明治時代の後半、現代の日本の繁栄の礎を築いた、出稼ぎに出ていた10代の若い工女さんたちの物語です。
野麦街道は約22里。飛騨と信州の間には、日本の屋根と呼ばれる北アルプスと中央アルプスがそびえ立っている。このアルプスの山々を越える峠の一つが野麦峠です。あまりにも難所だったこの峠には「お助け小屋」とよばれる避難所があった。この峠の名は、峠一面をおおっているクマザサが、麦の穂に似た実を付けることから、土地の人々に「野麦」と呼ばれていたからです。ちなみに、飛騨古川には工女宿の一つだった「八ッ三旅館」が、今もなお料亭旅館として愛されています。